こんにちは、はにむらです。
「コールデコット賞」という賞をご存知でしょうか。アメリカで出版された子ども向け絵本の中で、最も優れた作品に毎年送られる賞(メダル)です。
今回は、1950年にコールデコット賞の銀メダルを受賞した作品を紹介します。
『The Happy Day』です。
この記事では、『The Happy Day』の大まかなあらすじや感想、使われている単語や文法などを紹介していますので、是非チェックしてみてくださいね。
『The Happy Day』の詳細情報
タイトル | The Happy Day (邦題:はなをくんくん) |
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著 | Ruth Krauss(ルース・クラウス) |
イラスト | Marc Simont(マーク・シーモント) |
本編ページ数 | 28P |
総単語数 | 134語 |
絵本の種類 | ハードカバー/ペーパーバック |
『The Happy Day』のあらすじ
Now, they open their eyes.
They sniff.
出典元:『The Happy Day』
ここは雪降る山の中。動物たちが静かに眠っています。
ある日、彼らは目を覚ましました。鼻をくんくんさせながら、何かに向かって一斉に駆け出します。
一体何を見つけたのでしょう――?
『The Happy Day』の感想・レビュー
自然の摂理と生命の躍動を描いた名作
雪の山で冬眠していた動物たちが、春の訪れと共に目を覚まし、一斉に動き出す様子を描いた絵本です。
冬の静けさ、「静」から「動」へ移り変わる瞬間の機微、そして動物たちの生き生きとした動きが、リズム感のある文章と躍動感溢れるイラストで見事に表現されています。
生命の息吹と力強さ、自然の摂理や美しさを感じることのできる作品です。
春を待ち詫びる動物たちの喜びを表現した色彩
この絵本のイラストは、そのほとんどが白黒で描かれています。「色がないと見応えがないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
実際に、モノクロの写真やイラストには、想像力をより強く刺激する効果があると言われています。
そして、ラストページで春の象徴として登場する「ある物」だけが、唯一の「暖色」で描かれているのも特徴です。この暖色と白黒のコントラストが、厳しい冬から暖かい春への移り変わりや、春を待ち詫びていた動物たちの喜びを効果的に現していると感じました。
出版から70年以上経った今でも色褪せない、正に名作と呼べる作品だと思います。
『The Happy Day』の単語・文法解説
本文中に登場する単語・文法の中で、特筆すべきものについて以下で解説します。
主な単語
- mice [máis]
【名】mouse(ネズミ)の複数形 - squirrel [skwə’ːrəl]
【名】リス - ground hog [gráundhɑ’g]
【名】ウッドチャック(グラウンドフォッグ) - sniff [sníf]
【動】~の匂いを嗅ぐ、鼻をくんくんさせる
主な文法
・現在進行形
現在進行形は「be動詞の現在形+〜ing」で、現在の動作の継続(〜している)を表す文法です。
・The wind is blowing.
→風が吹いている。
『The Happy Day』はこんな人におすすめ
4〜5歳頃から楽しめる絵本だと思います。受賞歴のある絵本を読んでみたい方、洗練された絵本で子どもの感性を豊かにしたい方には特におすすめです。
文章は見開き1ページあたり1〜3文程度。難しい文法は一切なく、読み聞かせの難易度自体は易しいと思います。
英語に自信のない方や、お子さんにネイティブの英語を聞かせたい方には、「株式会社ワールドライブラリー」が販売するCD付き絵本がおすすめです。CDにはネイティブスピーカーによる『The Happy Day』のリーディング音声のほか、絵本の詞を一定のリズムに乗せたチャンツや、オリジナルのメロディーに絵本の詞を乗せた歌が収録されています。是非チェックしてみてくださいね。