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エリック・カールのクリスマス英語絵本『Dream Snow』

エリック・カールのクリスマス英語絵本『Dream Snow』
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こんにちは、はにむらです。

前回に引き続き、「クリスマスにおすすめの英語絵本」の紹介・第5弾です。

今回は、世界的に有名な絵本作家、エリック・カールの絵本を紹介します。

『Dream Snow』ボードブック版の写真

『Dream Snow』です。(※写真はボードブック版)

この記事では、『Dream Snow』の大まかなあらすじや感想、使われている単語や文法などを紹介していますので、是非チェックしてみてくださいね。

『Dream Snow』の詳細情報

タイトル Dream Snow
(邦題:ゆめのゆき)
Eric Carle(エリック・カール)
イラスト
本編ページ数 22P
総単語数 370語
絵本の種類 ボードブック/ハードカバー

『Dream Snow』のあらすじ

The snowflakes gently covered One with a white blanket.

出典元:『Dream Snow』

ある小さな農場に、農夫のおじいさんが住んでいました。片手で数えられるだけの動物を飼っていたので、彼らを「いち、に、さん、し、ご」と名付け、大切に育てました。

ある日の晩、おじいさんは夢を見ます。夢の中では雪が降り、おじいさんと5匹の動物たちを白い毛布で優しく覆っていきました。

目が覚めて、本物の雪が降っているのに気付いたおじいさん。慌てて服を着替え、箱を持って袋を肩に掛け、外へと駆け出しました――。

『Dream Snow』の感想・レビュー

雪の農場と馬の写真

穏やかで心温まるクリスマスのストーリー

The Very Hungry Caterpillar』などで知られる、世界的に有名なアメリカの絵本作家、エリック・カールのクリスマス絵本。表紙を見ると「サンタクロースが子どもたちにクリスマスプレゼントを配りに行くお話かな?」と思うのですが、そうではありません。

主人公は農夫のおじいさんで、彼と5匹の動物たちのお話です。夢の中で雪が降り、目覚めて本物の雪を見たおじいさん。慌ててサンタクロースの格好に変身して向かった先は――。

シンプルながらも穏やかで、心温まるストーリー。動物たちを慈しむ心や、身近な相手を大切にすることの素晴らしさを教えてくれているような気がします。

色彩豊かなイラストと施されたギミック

全体的に静かで落ち着いた雰囲気の絵本です。コラージュのような、色彩豊かなイラストも特徴的。動物たちの名前が1から5の数字というのもユニークです。

夢の中で動物たちが白い毛布で覆われていく場面では、それぞれのページにめくり仕掛け(フラップ)が施されており、真っ白な仕掛けをめくると下に隠れた動物たちが一匹ずつ現れます。動物の名前を当てっこして遊ぶのも楽しいかもしれませんね。

また、絵本の表紙や最後のページでは、イラストの一部にホログラムが使用されています。キラキラした幻想的な雰囲気を楽しむことができますよ。

『Dream Snow』の単語・文法

単語カードの写真本文中に登場する単語・文法の中で、特筆すべきものを以下で紹介します。

主な単語

  • barn [bɑ’ːrn]
    【名】小屋
  • fed [féd]
    【動】feed(~に餌を与える)の過去形・過去分詞
  • stall [stɔ’ːl]
    【名】馬屋の一仕切り、小部屋
  • cozy [kóuzi]
    【形】居心地の良い、くつろいだ
  • Heavens! [hévənz]
    【間】これは大変!、なんてことだ!
  • yawn [jɔ’ːn]
    【動】あくびをする
  • nap [nǽp]
    【動】うたた寝する
  • wintry [wíntri]
    【形】冬の
  • fast asleep
    【形】熟睡して
  • grab [grǽb]
    【動】~をつかむ
  • slung [slʌ’ŋ]
    【動】sling(~を…に掛ける)の過去形・過去分詞

主な文法

・there構文「There live~.」

「There live ○○.」は、「○○が住んでいます。」という意味の構文です。「○○」が主語、「live」が述語なので、主語(S)と述語(V)が逆になっています(倒置)。この場合の「there」は形式的な主語なので、特に訳しません。

例文
・There lived a old man in the house.
→その家には老人が住んでいた。

・現在完了形

現在完了形は「have+過去分詞」の形で、以下3つのいずれかの意味を表す文法です。

  1. 継続「ずっと~している」
  2. 経験「~したことがある」
  3. 完了・結果「~したところだ、もう~した」

この絵本では、おじいさんが寝る前に口にする台詞の中で、③の「完了・結果」の意味を表す現在完了形の否定文が登場します。

例文
・He hasn’t finished his work yet.
→彼はまだ仕事を終えていない。

・過去完了形

過去完了形は「had+過去分詞」の形で、以下3つのいずれかの意味を表す文法です。

  1. 継続「ずっと~していた」
  2. 経験「~したことがあった」
  3. 完了・結果「~したところだった、もう~していた」

用法は現在完了形と同じですが、現在完了形が「現在」を起点にしているのに対し、過去完了形は「過去」のある時点を起点にしている点が異なります。

この絵本では、おじいさんが外の景色を見る場面で、③の「完了・結果」の意味を表す過去完了形の文章が登場します。

※この絵本は全編を通して過去形の語り口調で書かれているので、「物語の中が起点」=「過去が起点」となるため、過去完了形が用いられていると考えられます。

例文
・It had rained while I had napped.
→昼寝をしている間に雨が降っていた。

※上の例文の場合、主節「It had rained」が過去完了形なので、「while」に続く従属節も「had+過去分詞」の形になっていると考えられます(時制の一致)。

・接続詞「as」

物語後半で、「watch as S+V」という表現が登場します。

「as」には色々な用法がありますが、ここでは「時・同時」を表す接続詞として使われていると考えられます。「watch」と「S+V」が同時に起こっていることから、「SがVするのを見る」と訳すことができます。

例文
・I watched as he opened the door.
→私は彼が扉を開けるのを見た。

『Dream Snow』はこんな人におすすめ

エリック・カールの絵本が好きな人なら、是非読んでおきたい一冊です。3〜4歳頃から、長く楽しめる絵本だと思います。

クリスマスの定番ストーリーを探している人には不向きですが、少し違った視点のクリスマス絵本や、優しいストーリーを読みたい人にはとてもおすすめです。動物が好きなお子さんにもおすすめですよ。

文章は見開き1ページあたり2~7文で、単語数はやや多めです。英語が苦手な人には難しく感じるかもしれませんが、単語の意味を押さえておけば比較的読みやすいかと思います。

とても素敵な絵本なので、クリスマスシーズンに是非読んでみてくださいね。

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